御殿場口登山道


8月14日(水)
Kさんと御殿場口登山道から富士山に登ってきました。
仕事が終わってからそのままクルマで出かけて、
須走付近の健康ランドで仮眠してから登ろうと思っていたけれど、0時以降に入館すると、風呂には入れないとのことなので、
御殿場口新5合目にすかさず向かい、クルマで少し休んだ。
真っ暗な駐車場では流れ星がいくつか見えた。
用意して、3時半頃登り始める。
御殿場口新五合目は標高1440m。
山頂まで2300m砂礫の道を登るなかなかハードなコースだ。
登り始めてから次郎坊に至るまでの間、私がKさんの前を歩き続けた。
最初からKさんに変なペースで歩かれたらたまらないからだ。
年に一度のKさんとのチキチキ男ツアー。
御殿場口から登ったことのないKさんを案内しつつ、のんびり登ろうと思っているのだが、
Kさんは、例年、勝負でも挑んでるのかよと思わせるような態度を取る。
10歳年上の太り気味のおっさんには負けたくないのだろう。
次郎坊で少し休むと、Kさんが先に歩き始めたので、その後を歩いていると、
「ゴミがいっぱいありますね〜」とKさんが言い出した。
登山道は綺麗なものなのに何のことだと思ったら、ブルーシートにくるまって寝てる人のことをゴミと間違えたらしかった。
御殿場ルートは長いし、山小屋が大分上に行かないとないので、道端で寝てる人を結構見かけた。
人のことをゴミ呼ばわりするとはKさんらしいと思った。
Kさんは割と快調に歩いて行った。
そして、たまに立ち止まって私に話しかけてくる。
別に、私と話したいわけではない。
自分が休みたい時に話しかけて間を取っているようだ。
そして、すこし休むと、私にはお構いなしに勝手に歩き始める。
ガシガシ登って一休み、ガッーと行って一休みよりも、
持続可能なペースで力を抜いて歩き続ける方が富士登山には適していると私は思う。
辛い登りだけれど、落ち着いて考えれば距離的にはたいしたことはない。御殿場ルートが長いとはいっても10.5KM。
歩き続ければいつの間にやら山頂に着く。
でも止まって休んでしまうとその時間は死んだ時間になってしまう。
だからKさんに何気に言ってみた。
「力抜いて軽く脚を置いていった方がバテないですよ」と。
が、当然のようにKさんは素直には聞かない。
「力なんていれてませんよ! 砂礫に脚が埋もれちゃうだけですよ」
と口ごたえをする。
Kさんは基本的に体力のあるタイプなので、瞬発力を使うような歩き方をしてるようにこちらからは見えるのだが。。
Kさんにプレッシャーを与えないように、少し距離を置いてKさんの後ろを歩き続けた。
人のぺースで歩くのも疲れるから先に行っちゃおうかな〜とも思ったが、
仕事が終わってから寝ないで来た弾丸ツアーのためか、頭がクラクラしてきてそれどころではなくなった。
Kさんもくたびれてきたので、道端でしばらく寝たりして、8時間位かかって山頂に到着した。
そして、剣ヶ峰に向かった。
馬の背を登って、もうちょっとで剣ヶ峰というところで、
後ろから歩いてきたKさんがダッシュして先に剣ヶ峰に登ってしまった。
こんな急斜面をよく走れるな〜とは思ったものの、
大人げない動機を感じて呆れた。
まあしかし、山頂から火口を眺めつつ、天候にも恵まれてなんとかかんとか登れてよかったな〜と思った。
大砂走をダバダバ下り、紅富士の湯に寄ってから、渋滞の中央高速で帰路についた。
眠気覚ましにガムを噛んでいると、Kさんが、「ガムいる時は僕がむきますよ」と言ってきた。
Kさんに優しいことを言われても気味が悪いので、「片手でむけるから大丈夫ですよ」と答えたけれど、
大変な思いをして富士山に登ってきたので、Kさんにも人の心というものが戻ってきたのだろうかと思った帰り道でした。